ここからは実際の民事再生の手続きについての解説になります。 
以下は申立人が実際に借金を返済することができなくなり民事再生を考えている段階から実際に裁判所に民事再生の申し立てをし、その裁判所の中での手続きの流れ、裁判所によって認可された再生計画により返済を行っていくまでを詳細に解説していくことにいたします。
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個人版民事再生には前述したように小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の方法があり、自分の置かれた状況により、いずれかを選択することになります。
また、小規模個人再生と給与所得者等再生では要件が違いますので、以下では2つの手続きの要件についてそれぞれ解説していくことにいたします。
小規模個人再生の要件
小規模個人再生を申し立てるための要件は、ある程度定期的な収入があること、圧縮した債務を返済していける能力があること、債務の総額が3,000万円を超えていないことの3つになります。
ある程度定期的な収入とは毎月一定の日に定期的に収入があるサラリーマンはもちろんですが、自営業者、フリーター、派遣社員、年金生活者などでもよく、収入の見込みさえあれば、職業が問われることはありません。しかし、圧縮した債務を返済していかなければなりませんので、無職の方は民事再生の申し立てをすることはできません。
次に、圧縮した債務を返済していける能力があることについてですが、月々の収入から日常の生活費を除いた残りの分が、月々返済をしていく上で可能な額になりますので、その月々返済していく上で可能な額の中から圧縮した債務を返済していくことが可能でなければならないということです。なお、住宅ローンがある場合はその分も含めた額を返済していかなければなりません。
最後に、要件の1つである債務の総額ですが、この場合の債務の総額とは住宅ローンによる債務は含まれません。
要するに、住宅ローンが3,000万円以上あってもその他の借金の合計が3,000万円を越えていなければ要件は満たしていることになります。
給与所得者等再生の要件
給与所得者等再生の要件は、ほとんどの部分で小規模個人再生と同じですが、収入についての要件のみが厳しくなっています。
小規模個人再生では、ある程度定期的な収入があること、という要件なので、自営業者やフリーターをしている方でも要件を満たしていましたが、給与所得者等再生では、定期的、なおかつその収入に変動幅が少ないこと、という要件になりますので、収入の変動幅が少ないサラリーマンや公務員でないと給与所得者等再生の要件を満たしていないことになります。
なお、給与所得者等再生については、小規模個人再生とは異なり、返済の計画について債権者からの反対がないことは要件にはなりませんので、小規模個人再生より手続きする上でのリスクは少なくなっています。
民事再生は一部の債務を除いて手続きはできませんので、保証人が付いている債務を除いて民事再生の申し立てはできません。
保証人が付いている債務がある場合に民事再生を行うと保証人に対して請求がいくことになりますので、保証人に請求されることが困る場合には、他の債務整理の方法(任意整理、特定調停)を検討しなければなりません。
また、住宅ローンの抵当権が付いていても民事再生の住宅ローンについての特則を利用することができますが、住宅ローン以外の担保権(抵当権または根抵当権)が付いている場合は民事再生の住宅ローンについての特則を利用することはできません。
なお、ローンで購入した自動車はローン会社が所有権を留保している場合があり、その場合は民事再生の手続きを行っても、その自動車をローン会社に引き渡さなければなりません。そのような場合で、どうしてもその自動車を手放したくない場合には、他の債務整理の方法(任意整理、特定調停)のどちらかを選択することになります。
民事再生は自己破産とは異なり免責不許可事由という概念がありませんし、破産者の受ける不利益もありませんので、ギャンブルや浪費によって借金を作ってしまった場合でも民事再生を利用することができますし、自己破産をしてしまうと業務停止になってしまう資格で仕事をされている場合でも民事再生を利用することができます。
ただ、守るべきマイホームを所有していない場合や処分されると困るような財産がない場合などは、わざわざ民事再生を選択して手続きをするメリットがありませんので、自己破産を選択して、すべての借金を帳消しにした方がいい場合の方が多いでしょう。
民事再生に関しても自己破産と同じように申し立てるまでの間は、債務者本人に対しての電話による取り立てと、債務者本人の自宅への訪問による取り立ては違法ではありません。
なお、民事再生も自己破産と同じように弁護士、司法書士に依頼した場合には、各債権者は依頼人に対して直接取り立てをすることができなくなります。依頼を受けた弁護士、司法書士は事件を受任した旨の通知を各債権者に送ることになり、各債権者はその通知を受け取った時点から依頼人に対して直接取り立てをすることができなくなります。
民事再生の申し立ての準備では、まず1番最初にすることが債権関係(借金の残高など)の情報収集になります。特定調停を申し立てる場合の申立書に債権者の名前、住所、契約内容、借金の残高などの債権関係の情報が記載事項になります。
なお、専門家に依頼した場合には債権者に直接交渉して債権者から債権関係の証明書を出してもらうことになりますので、依頼人は何もする必要がありません。
ここでは、民事再生の手続き中で1番重要な部分でもある申立書及び添付書類の作成、また、提出するのは開始決定後になりますが、申し立て前に作成しておくべき再生計画案について解説していきます。
ここで作成する書類は、民事再生申立書、収入および財産一覧表、の2つになります。それぞれの書類について説明していきます。
1.民事再生申立書
申立書は各裁判所によって様式が違います。
書き方については申立書の内容に従って記入していくような形式になっています。
大体の内容は申立人の氏名、生年月日、本籍、住所、連絡先、申し立ての趣旨や理由、申立人の経歴、家族の状況、申立人の収入や生活状況、借金の時期、総額や使途、申立人の財産、債権者との状況などが記載事項です。
なお、住宅ローンについての特則を利用する場合にはその旨を記載します。
2.陳述書
一般的に陳述書は民事再生申立書の別紙になっていて、民事再生を申し立てるに至ったおおまかな事情について作文のような形式で作成します。
3.家計全体の状況
一般的に家計全体の状況は民事再生申立書の別紙になっていて、過去2ヶ月分の家計の
収入及び支出の細かい状況を記載します。
4.財産目録
一般的に財産目録は民事再生申立書の別紙になっていて、不動産、自動車、購入価格が10万円以上の物、現金、預貯金、有価証券、保険などが記載事項になります。
5.精算価値算出表
財産目録で記載した財産を売却などにより精算した場合の価値を一定の基準に基づいて算出してそれぞれ記載します。
6.債権者一覧表
申立書の添付書類として債権者一覧表を作成することになります。債権者の住所氏名、債務総額、借り入れの時期、返済した額、債権者から異議があった場合に異議を述べるかどうかを記載します。
なお、住宅ローンに関する特則を利用する場合にはその旨を記載します。


民事再生の申し立てが受理されると、裁判所から受理された日から1ヶ月後くらいに審問期日を指定されることになります。
審問では裁判官から支払い不能に陥りかけている理由や財産の状況、どのように返済していくかなどについての質問を口頭で受けることになります。
再生計画案に反対する債権者は裁判所が決めた期間(約2週間)内に再生計画案に同意しないという回答をしなければならず、この期間内に反対する回答をしなかった場合には反対しなかったものと扱われますが、再生計画案に反対するという回答をした債権者が半数を超えなかった場合には再生計画案は可決されます。 ©司法書士法人 リーガルハンズ
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